文化芸術と福祉のマッチング相談会 @長崎 を開催しました

2月27日(火)誰もがアクセスしやすく楽しめる創作・鑑賞の環境づくりを目的とした講座を長崎県にて開催しました。参加者は、文化施設関係者、福祉関係者、教育関係者など総勢30名。県内の文化施設に対して10月に実施した「障がいのある人たちの芸術活動に関するアンケート」の結果をもとに参加者同士で意見交換を行い、文化芸術・福祉それぞれの課題や展望を共有。誰もがアクセスしやすく楽しめる創作・鑑賞の環境づくりを目的として、文化芸術と福祉が融合することで生まれる可能性について考える場をつくっていきました。

 

まずは、当センターの樋口より厚生労働省が実施している障害者芸術文化活動普及支援事業について説明。その後長崎県障害者芸術文化活動支援センターの亀子さんよりセンターの活動と今後の展開について事例を交えて紹介していただきました。

 

長崎県障害者芸術文化活動支援センターは長崎県障害者社会参加推進センターが母体となって令和2年度からスタート。県内のニーズを把握するためのアンケート調査から始まり、アンケートから見えてきた課題や状況を手がかりにセミナーやイベントの開催の他、障害のある方の文化発表機会確保のための助成事業の展開など丁寧に事業を展開されています。
令和7年度に長崎県で開催される「全国障害者芸術・文化祭」(長崎ピース文化祭2025)へ向け、県全体で障がいの有無に関係なく足を運び、文化芸術を楽しめる機会が増えることを目指しながら日々の活動を行なっています。

休憩を挟み、後半はまずアンケートの集計結果の共有です。

10月に長崎県内の文化施設を対象として実施したアンケートでは、各施設における障がいのある人の発表の機会や鑑賞の機会についての状況について伺いました。
その集計結果からは、以下のような課題や状況が読み取れます。

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・主に車椅子利用者の対応は想定されているが、視覚障害者や聴覚障害者への対応(文字情報や音声ガイドなどの情報保障)は想定されていないケースが多く見られる。

・ハード面の課題が多く、知的障害者や精神(発達)障害者への対応については想定されていないケースが多く見られる。

・来場者として想定されている回答が多く、施設利用(発表の場)としての対応の回答が少ない。

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その後、グループに分かれてのディスカッション。
各グループで出た話を共有しつつ、質疑応答と意見交換を行いました。

 

参加された皆さんの中から多く聞こえてきたのは「発表の場をどう作っていくのか」「情報をどう取得していくのか・届けるのか」ということ。
県の支援センターや福祉団体、文化施設など協働して解決していくことが必要であり、各地域でのネットワーク構築の必要性を強く感じる時間となりました。

参加者の皆さんからは
・異業種の方との交流が出来、アートに限らず色々な面の課題を知ることができました。情報を如何にして発信して収集していくかは重要な部分だと思います。
・グループワークを通して、他事業所など普段関わりが少ない方と意見交換ができてよかった。
・指定管理制度の下ではハード面の困りごと解決は難しいですが、共通の悩みに共感した。ソフト面のアイデアは取り組めるものがあった。

などの感想をいただきました。

令和7年度の「全国障害者芸術・文化祭」開催へ向けて、これからさまざまな情報が出てくると思います。
まずは必要な方に情報を届けること、また、点が線になるようにつながりを広げていけるような意見交換、交流の場を継続して作っていくこと。
今後も引き続きサポートを行っていきたいと思っています。
長崎の今後の展開が楽しみです!

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