「障がい者アート」の可能性 in 香港 に参加しました。

九州大学ソーシャルアートラボが主催する「アートと社会包摂」をテーマにして公開講座に参加してきました。

今回のテーマは香港のJockey Club Rehabilitation Complex(JCRC)が行なっている”i-dArt”というアートプログラムとそこで3ヶ月間アーティスト・イン・レジデンスを行なった作曲家の野村誠さんの取り組みについてでした。

JCRCは21年前に設立した、日本でいう所の障害福祉サービス事業所だそうですが利用者は入居者が約1000名、通所者が約1000名、スタッフが約1000名という日本では考えられない規模の施設です。42の異なる機能があり、医療的ケアを受けられる設備が整っています。

i-dArt“はその施設の中で10年前から行われているアートプロジェクトで、利用者が絵を描いたり、音楽をしたり、美術の勉強をしたりする機会を提供しています。

興味深かったのは、「障害」という言葉の訳し方。一般に”disabilty”と訳します。”ability”が「能力」や「できること」といったい意味なので、disabilityは「能力がない」「できない」といったニュアンスです。

ですが、i-dArtでは”different ability”と訳しているそうです。直訳すると「違った能力」「異なる才能」でしょうか。全ての人は異なる能力を持っていて、それをartを通して光を当てようと考えているということでした。

そんなi-dArtで、今年の4月〜7月に作曲家の野村誠さんがアーティスト・イン・レジデンスを行い、施設の利用者ととも作曲したり、セッションをしたりと19ものプログラムを生み出しました。

例えば、広東語で駅名を延々と繰り返し言っている方がいて、それに合わせて野村さんがピアノを弾く、というように日々の活動や生活の中に野村さんが介入することで作品になっていく過程は大変興味深いものでした。

香港では2019年に知的障がい者の芸術活動の推進をテーマにした国際シンポジウムが開催されるとのこと。HPは中国語と英語のみのようですが、シンポジウム自体は中国語・日本語同時通訳付きとのことで、こちらも要チェックです。

 

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