「創作体感&作品展示ワークショップ@鹿児島」開催しました

12月9日(水)、鹿児島のサンプラザ天文館にて、「創作体感&作品展示ワークショップ」を開催しました。

福祉施設の職員、行政職員、文化施設関係者、教育、アート、医療関係など他分野の方々14名に参加いただき、実際に創作を体感することによって障害のある人たちの個性を活かしたサポートのノウハウを身につけ、さらに出来上がった作品を使用して展示方法について学んでいきました。

 

講師は画家・美術家であり、アートディレクターとしてさまざまな分野で
社会とアートの関係性を問い直す活動を行い、障害のある方の表現活動のディレクションやキュレーションにも多く携わっている中津川浩章さん。

「正解を求めないこと」「自分が心地よいもの、心地いい感覚を深めること」等このワークを進める上で大切にすることを確認してスタート。

 

 

床に敷いた長い模造紙に鉛筆を使っていろんな線を全員で描いていき、ときには利き手と逆の手で描いたり、動きながら描いたり、力強く塗り込めたりと変化を加えながら線を描いていきます。
鉛筆の触覚を感じながら無心に自由に描き進めると、全員同じ状況で描いていても、それぞれ違う身体のリズムが線から浮かび上がっていきます。

   
「意味のないものやことは体感として気持ちが良く、その感覚やグルーヴ感が創作にはとても大切なこと」なのだそうです。

心身共にほぐれてきたところで、いよいよ個人制作へ。
さまざまな手法を用いて記憶、言葉、概念から絵を描く体験を行っていきます。

  

まずは記憶。一枚の写真をみて、それぞれが印象に残った部分を切り取って描いて行きます。
同じ写真からイメージして描いた絵でも仕上がりはさまざま。
人はそれぞれに独特の記憶を組み立てて生きていて、同じものを見ていても当然感覚が違うもの。表現に正解はないのだ、ということを改めて体感できる時間でした。

記憶、言葉、概念というキーワードから描く絵は内側に秘められた感情やイメージが反映されやすいそうで、お互いの切り取り方や捉え方の違いに驚いたり、一方で共通のイメージがあることに納得したりと盛り上がりました。

 

後半は、完成した絵を使って展示のグループワークを体験していきます。

展示する作品の数は自由。チーム毎に、定めたコンセプトに沿って展示していく絵を選定し、“作品をよくみせる“ということを考えながら進めていきます。

  

最後は試行錯誤の上で完成した展示を発表。
同じテーマで描いた絵でも、それぞれのコンセプトに沿ってみせ方を変えるだけで随分と作品の印象は変わってきます。
大切なのは“責任と勇気を持って選択すること”。“モノ(作品)に語らせ、観る人に委ねる余白を大切にすること”。それぞれの意図を共有することで、視野も広がり改めて展示の奥深さに触れることができた時間となりました。

参加者の皆さんからは、

・色々な見方があることを改めて考えさせられた
・正解・不正解ではないということを実感することができた
・“引き算することで言葉が入る隙間が生まれる”というのが心に残った
・様々な職種の方の考えや意見を聞くことができ有意義な時間が過ごせた
・頭を柔らかくして物事を考えることの大切さを感じた。

などの感想があり、今後も今回のようなWSやセミナーを開催してほしいという声も多くいただきました。参加者同士の交流もあり、今後の鹿児島での展開が楽しみです。

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